Q4.三味線の金額はどれ位かかりますか?

投稿日:2019年4月24日 更新日:

A:この質問は最近意外にも多く、少し詳しくご説明させて頂きます。
 まず、津軽三味線の金額に関しては木の材質によって様々ですが、安くても10万円前後、最も高くて200万円もしないでしょう。
演奏家の中には「俺の三味線は300万円だ!500万円だ!」と言われる方や「高級車が買えるくらい」と表現される方も散見しますがまずあり得ません。貴重な木材である事は確かですし、職人の技術が練り込まれている事を鑑みても興味の無い人からしてみればただの木材です。価値というものは買い手に伝わってこそ初めて価値となります。

 買い手が理解出来ないような価値は売り手にとって価値があるだけで買い手にとって価値はありません。売り手のエゴと買い手の見栄に過ぎず、予算があるからといって先生の言いなりになってはいけません。

 なぜこのような事を申し上げるのかというと私共の会の生徒さんの中に何かしらの情報で楽器が高すぎる事を知り、断念せざるを得なかった方や子供がやりたいと言っているのに習わせてあげられなかった親御さんが大勢みえたからです。不正確な情報がこの方達の縁までも遠ざけたのです。

ある日先生から「あなた、そんなに上達したのだからそろそろもう少し上のランクの三味線持ちなさい。」と言われたらどうされますか?

先生が認めてくれたんだと喜んで何百万円もの三味線を購入出来ますか? 第一にして高い楽器を使って弾いたところでその楽器の最大限のパフォーマンスを出せるに至らないか、違いが判らない方も多いのではないでしょうか?弾き心地が良くなる位は判るでしょう。

逆に「私のレベルではどの程度の三味線が合っていますか?」や「インターネットで調べたのですがA店のあの三味線とB店のあの三味線は値段が一緒ですが先生はどちらが良いと思いますか?」等とある程度の予備知識を持った上で先生に相談されるのが賢明です。ご自身で大いに調べて納得して購入していただきたいものです。

三味線の流通は一般的には

製造元➡問屋さん(問屋を経由しない場合あり)➡三味線屋さん(小売店)➡ユーザー

といった流れを辿る訳ですが製造元が値段を高く設定して問屋さんや三味線屋さんに卸している訳ではありません。一番利益を上乗せするのは三味線屋さんでも無く三味線屋さんとユーザーの仲介に入る「先生」という事が殆どというのが現状です。(勿論そんな先生ばかりでは無いのは前提ですが。)

それが良いのか、悪いのか、当たり前なのか、暗黙のルールなのかは指導者の考え方によりけりなので敢えて触れないでおきますがここで一気に金額が跳ね上がります。

今の御時世に200万円を超えてくる様な三味線は2〜4割は仲介手数料か何か知りませんが先生の懐に入っていると思って間違いないでしょう。お金に余裕の無い方は色々な三味線屋さんに相見積もりをとってみたり、今の御時世ならSNSで色々な方と意見交換も出来ますので予備知識を得る事も出来るでしょう。

バブルの時代にはたいして高くもない三味線をもの凄い値段で買われた方が大勢見えます。その子供さんやお孫さんが三味線を持参し見学に見える方も大勢見てきましたが数十万円の粗悪な楽器を100万円や200万円で購入したという方の実に多いこと!(業界あるあるなのですが。)どんな物にでも適正な価格というものがあります。鑑定書等があれば納得もされるでしょうが実際のところは先生の言い値で買われた人が多いのではないでしょうか? 本当の三味線の値段や価値を知りたい方が見えましたらどうしてそんなに高いのかきちんと説明してくださる製造元の社長さんや三味線屋さんを紹介させていただきますので安心してご相談下さいませ。

また、バチも三味線と同じ事が言えますが材質によって1万円を切る物から数十万円を超えるものまであります。希少価値の高い材料を使うものも多い為、決して安くはありません。バチも三味線も象牙や金などの付加価値で金額が大きく上下します。

「糸巻きを象牙に変えたら音が良くなった」とか「金具を金に変えたら音色が変わった」というのはそのような気がしているだけに過ぎません。

ある大学の音工学の専門の教授と対談させていただいた事がありますが「自分の中にある感覚だけの問題で他人には判らないレベルである事、高い物を使って弾いているという高揚感からくる心理作用も加味されるが胴(太鼓の部分)をいくら改良しても三味線程度の大きさなら人間の耳では聴き取れないくらいの影響でしかない。故に比較的高い三味線に施されてる綾杉胴の内部構造は三味線の大きさからして音の良し悪しを左右する程の意味をなさない、皮の張り加減が胴に関して言うなれば全てである」と仰っていました。少しでも高級に、豪華にしなければという職人さんの拘りに過ぎなかった事が証明されたという事です。

 最近では数万円の安価な三味線も多く出回っていますが、すぐに使い物にならなくなり、修理代が多くかかり、かえって高くついてしまうということもあり慎重に選ばれた方がいいでしょう。バチはセラミック、木材、アクリル等様々な種類のものがありますが何といっても音色に直結するという点でべっ甲に勝る物はありません。お店によりますが、3万円程度からお求め頂けます。バチは値段よりも弾き易さで選んで下さい。

 人前で演奏するという事を前提にした楽器選びという点でいえば、最も堅い紅木の三味線とべっ甲バチ、ケース、その他付属品一式で35万円程度はどうしてもかかってしまうのが現状です。(近年は値上げ傾向です。)
三味線屋さんの年に数回のバーゲンセールも狙い目です。

 中古品も多く出回っておりますが、インターネットで購入されるのはどのような方が売っているのかわからない事も多く、あまりお勧め出来ませんが中には奇跡的にとても良い三味線をびっくりするような安さで出品される方も稀にいますので中古品に関しては特に信頼の置ける三味線屋さんや先生に相談されてのご購入をお勧めします。また、中古の三味線でも金具交換や磨きをかければ新品同様になる物もありますので新品で買われるより断然に安く購入出来ます。

-

執筆者:


comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *

関連記事

心から感謝。🙇

帰国早々に本当に哀しい知らせが。 私の人生で一番お酒を酌み交わした本当に大切な人が亡くなりました。 大割烹だるまの大将。  包丁を握らない方でしたがこの方の傍で品格、思慮深さ、配慮、ありとあらゆるものを学ばせてもらい、メモ帳を持ってお店に行く程の人生の一番の相談相手。 竹の伐採のボランティアに参加しただけで「手を怪我したらどうするんだ!」と真剣に叱ってくれ、自分のコンサートでは常に気付かぬ所でネクタイに正装でそっと観に来てくれているような方。 大将から電話がかかってくると喜んでお店に向かい、色んなお店にも連れて行ってもらい、ご夫婦に沢山の方を紹介していただき、私の人生に多くの彩りを与えてくれた恩人の中の恩人。 棺の感触、重さをしっかりと受け止めて見送ってきました。 他の誰の評価よりもこの方に認めてもらいたくてやってきたようなもの。 これから誰に褒めてもらおうか途方に暮れていますが恥じないように生きていきます。 それにしてもダメージが計り知れない。涙が枯れ果てるとはこの事。 声と笑顔が忘れられない。 電話が鳴りそうで未だに信じられない。            合掌

小4初デビュー。🔰

豊田市中心から離れた地区の文化祭にお招きいただきました。 この時期は多くの地域から沢山の依頼を受けますが日にちが重なるものが多く、殆どをお断りせざるを得ない現状ですが高校恩師からのかなり前々からの問答無用依頼枠適用(要するに命令)につき9名で。✨ 10代が6名に20代前半2名の圧倒的若い布陣。オジサンの出る幕は無くなりつつあります。😅 今日は半年に満たない小4の女の子が地元で初デビューでした。🔰 見事に難しい曲を弾ききり拍手喝采でございました。👏👏👏 先の未来ですと1年先位のご依頼もあります。 決して早い者勝ちという訳でなく趣旨や意義に私共が共感できるものでしたら何チームにも別れていく事も出来ますので諦めずにご連絡下さいませ😊

コンサート情報。

3ヶ月後の10月27日(日)に豊田市能楽堂で 「もてぎ三絃道津軽三味線コンサート響宴vol.6」が開催されます。 コロナ明け初の能楽堂でのコンサートになります。 何と言っても今回は日本全国から素晴らしいゲストをお招きしています。 お一人ずつ紹介していきましょう。 まずは親子絆枠で出演していただく三谷親子。 北海道出身のお二人。親子で勝ち取った民謡大会の優勝は列挙にいとまがないほど! まさに「奇跡の親子」なのであります。 またご実家も私の北海道の親戚のすぐご近所という縁もあり、葵さんの息子さんは(早苗さんからすると孫にあたる)小学4年生で未来の日本サッカー界を背負う程の逸材でついこの間もスペイン合宿に行ってきたばかりの親子何代にも渡って凄い方なのであります。 本物の唄を是非会場で体感してくださいませ。 三谷早苗さん(おかーさん) 三谷葵(むすめ) 続いては滋賀県からは多田智大(ちひろ)君。 現役高校生で尺八と津軽三味線を本格的に勉強している彼。 私が尊敬する同門大先輩の長峰健一さんを心から尊敬する素晴らしい青年です。学生応援枠で初出演です。 そして3度目の出場の高橋竹春さん。  私が津軽で修業時代に他流派ながら交流し切磋琢磨してきた盟友です。 竹山流のトップ奏者で手踊りも三味線も抜群の彼女。我々の会には欠かせない存在となりました。 そして大阪からは民謡歌手の遠藤小百合さん。 関西民謡界のドンです。 誰からも愛される頼りになるお姉さん的存在の方。「サユリスト」と云われるファンも多く、私もその一人です✨秋田民謡をたっぷり謳っていただきます。 そしてもう一組の親子絆枠で出演いただくのは鳴り物で千葉県より望月左登貴美(さときみ)さん(写真上)と娘さんの菅原和鼓さん(写真下)。 お母さんの望月さんは2度目の出演です。 安定感抜群の鼓を始め、鳴り物の数々は所作までが美しく今回は親子で出演していただきます。 我々の三味線で娘さんが踊り、親子の鼓連弾とお楽しみいただきます。 我々だけでもそこそこやりますが(希望的観測)今回の響宴はこれだけの素晴らしいゲストと共にお送りします。 全自由席でございます。お電話でのお問い合わせは もてぎ三絃道コンサート実行委員会 070-1349-2142までお願い致します。 皆様のご来場をお待ちしています。🙇

5月も終盤。。

本当にいつもいつも後回しとなってしまい気付けば2ヶ月以上も投稿を疎かにしておりました。 相変わらず舞台チョロチョロ稽古ガンガンの日々を過ごしております。 コロナも終息し、久しぶりに近場の皆様と合同練習も出来たり、新たにお仲間も増えたりと日々の生活に感謝して生きております。 同じ姿勢を長時間が毎日というサイクルが祟って1ヶ月に2回も病院にお世話になりましたが痛み止めを飲んで何とか持ち堪えています。 病院の先生によって見解が違うので何とも言えませんがもう少し身体を労っていかないといけない歳になりました。 筋トレ、ランニングを急に辞め筋肉のバランスが崩れたようです。少しずつ再開しようと思います。 中庭の木も青々と茂ってきました! 暑い夏がすぐそこまで近づいてきています。 体調を崩されないようお過ごし下さいませ。。 もう少し頻繁に投稿するよう努めます🙇

眼の手術成功。。

眼の手術をしてきました。 埋没法の二重手術ではなく白内障の手術をしてきました。 数十分の手術ですが体感では1時間くらいに感じ、呼吸も乱れる大変なものでした。 一昨年の4月に右目をしてもらい、今回は左目。 一昨年は手術後の2日後に自宅前で車をぶつけた反省を活かして乗らないようにしています。 髪も危険が危ない!?状態になってきたので半年前からハゲ薬、所謂AGA治療というやつを始めて毎朝薬を飲んでいますが 自分で判るくらい生えてきましたよ。 もう少しで頭頂部も髪で埋まりそうです。 歳をとると色々とポンコツになっていきます。 目と歯と髪はいつまでも丈夫でいたいものですね。。

もてぎ三絃道

こちら

住所 豊田市長興寺2-5
TEL 0565-41-6904
出演のご依頼・教室の
お問い合わせは
上記電話または
問い合わせフォームより
お願い致します。